言葉の発達 接続詞 (Non)
2009・4・23
昔、子どもがどんどん言葉を獲得していく様子に関心を持ち、恩師の岡本夏木先生の「子どもとことば」(岩波新書)などを熱心に読んでいた時代があった。しかし、考えている間にもう子どもたちは観察不可の世界に突入してしまい、追跡不可能となってしまった。
孫の言葉の獲得もものすごいスピードで、月に一、二度、遊びにくるたび、思わず笑ってしまうような、感心してしまうような話しっぷりに驚かされたものだ。今でも印象に残っているのは、接続詞が使えるようになったときのことだ。
2歳半くらいだったか・・・
私が今日、どのようにしてここ(孫の家)にきたかを訊いていたようだ。でも、私はその意味がよくわからなくて、とんちんかんな答えをしたらしい。すると彼は、「だから、ばあばはなにできたの?」ともう一度訊き返してきた。だ・か・らというところに、力をいれて、(ちゃんと僕の質問の意味を理解してよ。)というニュアンスがこもっていて、思わず笑ってしまった。
4歳くらいだったか・・・
大人が使う、耳慣れない言葉を注意深く聞いているようだ。この頃、親の携帯をいたずらして、私のところによくメールをよこした。朝早く携帯が鳴って誰だろう?と見ると、小さな恋人からだった。「東京、横浜、名古屋、新大阪、神戸・・・と駅の名前がずらっとならべてあって、最後にちなみにぼくはようすけ」と入れてある。「ちなみに」なんて言葉を誰が使っていたのだろう。これにも笑ってしまった。
先日・・・
入学して元気に学校へ行っているかと、電話をした。「お友達できた?」「もう給食がはじまったの?」「今日のメニューはなんだったの?」と次々質問をした。一段落して彼が訊き返してきた。「ところで、ばあばは毎日、何をしているの?」・・・「ところで」にはまいったなあ。あわてて答えを探しながら、またまた笑ってしまった。
接続詞というのは、物事と物事の関係を掴んでいないと正しく使えない。言葉を覚え始めた2歳すぎからもう、ちゃんとそんな関係認識が把握できるのかと幼児の言葉の獲得のすごさに改めて感心する。でも岡本先生によると、言葉を獲得するにつれ失うものもあるのだそうだ。言葉で表現できない時代に感じた感情の豊かな世界だ。
「一般的にことばが生活の中心的位置を占めるにしたがって、その代償として、外界や人々を生き生きと感じ取ったり、鮮明なイメージとして保持しつづけたり、自分の身体にひとつの自然を見出したりすることも失われやすい」と先生は書いておられる。これは自然な発達の道筋で避けられないことではあるけれど、小さい頃、まだ空き地が多かったこのあたりでたんぽぽの綿毛を吹きとばし、虫を追いかけ、キャッ、キャッと体中で喜びを表現していたことも忘れないでいてほしいなと思うのは、ちょっと欲張りなのだろうか・・・。
| 固定リンク
「育児」カテゴリの記事
- 初めての動画アップ(Non)(2009.08.26)
- ほんとうのところは・・・(Non)(2009.07.01)
- 言葉の発達 接続詞 (Non)(2009.04.23)
- ピッカピカの一年生(Non)(2009.04.10)
- 成長・・・感謝・・・(2008.09.18)


コメント
微笑ましいおはなしですね。
あなたの書いておられる意味ととは少し違うのですが、我が家の子供たちも時折親が「ウ〜ン」と思うような表現をした記憶があります。
夫はそのようなとき、書き留めておくと後々面白い「○○語録集」ができるよ、と言っていました。
忙しさに言い逃れをして行動しなかったことを、今頃反省しています。
投稿: アコママ | 2009年4月23日 (木) 23時17分
子どもが言葉を覚えていくように、英語が覚えられたらと思いましたが、言葉を覚える時期の子どもには、ものすごい神通力があることが、わかりました。(笑)
そしてそれは、人の人生のごく限られた時期に、集中的に現われることも。
投稿: Non | 2009年4月24日 (金) 10時26分
大変興味深く記事を読ませていただきました。とても難しい接続語をどこで仕入れるのか、子どもって不思議ですね。周りの大人の会話にも聞き耳をたて、テレビ・コマーシャルなどメディアからも自分で興味のある言葉はすぐに取り込み使ってみるという脳細胞はいったいどうなっているのかしらと思います。
子どもは100時間英語を聞き続けると、それを完全に覚えてしまうそうです。100時間続けて…ということは日本にいては不可能でしょうが、そのような環境させあれば、柔軟且つ跳びぬけた記憶力の持ち主は、あっという間に語学を身に付けてしまう。全くうらやましいです。それに引き換え、刺激があってもどんどん物忘れしてしまう私の脳は…と考えるとぞっとします。
投稿: kamichan | 2009年4月25日 (土) 11時24分
ほんとうに、子どもは「進化する生き物」なのですね。
語学を勉強しておられるKamichanなど、言葉の習得法などいろいろ工夫されていると思いますが、ずっと聴き続けていると身につく学習法というのは、一面本当なのですね。「そんなはずは・・・ない。」と思っていましたが。ただし、柔らかな脳に対して効果ありということですね。
いやいや、あきらめないでがんばりましょう。私も新曲の楽譜
必死で暗記しているのですが、なかなか覚えられません。とほほ・・・
投稿: Non | 2009年4月25日 (土) 15時13分