なにげないものが・・・(その2)
2009・6・8
もう一つはハイデルベルグでワインを飲み、サービスでにいただいた記念グラス。
ちょうどハイデルベルグの町が誕生して800年というときで、グラスにはあの大きな樽の絵の上に800という数字が書かれている。
この樽があのシューマンの「詩人の恋」の最後の曲に出てくるのを数年前に知って、「ふふ、ますます記念すべきグラス」となった。あわてものの私がうっかりグラスを割ってしまわないようにと、とっても大切に扱っている。
このグラスもハイデルベルグで見たさまざまな光景を思い出させてくれる。今は廃墟となった古城で、コンサートがあるというので出かけて行った。急な坂道を登っていくと、月光のなかに今は窓だけが暗闇のholeとなって浮かび上がる古城がそそりたっている。かつてこの建物が活躍しているとき、どんな人々がどんな思いでここに暮らしていたのだろうか。幾世代もの人々の悲喜こもごもの人生を眺め続けてきた石の壁は、時間と空間を遠く隔てた我々にも、何かを伝えようとしているように思えた。
坂道を降りてきたところに、本当に大きな樽があって、学生さんたちが、ワインを勧めていた。そしてワインを味わい、このグラスが私のところにやってきたのだ。これを手にするたび、廃墟の古城や、興奮して友と語り合った夜や、次の日の朝早く大急ぎで散歩した哲学の道や・・いろいろなことを思い出す。
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