高浜虚子「俳句の作りよう」 (Non)
2009・10・23
そんなに真剣に対峙しないまま、俳句を始めて2年目になった。いっしょに句会をやっているお仲間はどんどん上達されているように感じる。それなのに自分は句会が近づいてきたら一生懸命周囲を見回して題材をさがし、それこそ一夜づけで俳句をつくるありさま。
一番問題なのは、俳句を作ることの楽しさがあまりよくわからないのだ。自分の感動をどう表現したらいいか、考えとぴったりの言葉がなかなか見つからない。「ああ・・・陳腐だ・・・」と自分の言葉の貧しさにがっかりするばかり。
それでも句会の期日は近づいてくる。毎回の句会で私は話し合われたことをまとめる記録係をおおせつかっているので、先生から「これ、読んでおいて!」とどんどん本や雑誌を渡される。今回は先生の先生、高浜虚子の娘さんが開いておられる句会に長年所属されているというT先生がいらっしゃるのだ。緊張!
今回渡された本は角川ソフィア文庫から今年出版された高浜虚子の「俳句のつくりよう」わあ・・・薄い本でよかった。これなら一日で読めそうだ。この本は大正3年に初版が出されたが、以来ずっと売れ続けているという超ロングセラーなのだ。大正時代、子規の亡き後、高浜虚子のホトトギス派は俳句の定型を破る新傾向を提唱する河東碧梧桐たちと対立したが、昭和に入って俳壇=ホトトギス派というくらい隆盛をきわめたという。その虚子の自信を支えたのがこのロングセラーだったとか。
なるほど・・・平易な文章でわかりやすく書かれた入門書だ。今ならハウツウものの本は、ちまたにあふれかえっているが、この時代このような斬新な書き方をした本はそうなかっただろうと思われる。
ここにはまずもって5,7,5を並べてみよと実践を勧めている。そして席題がだされたとき、その言葉だけに囚われず、広い範囲でものを見て思いめぐらし、しかるのちにその席題の言葉との結びつきを考えて作句してみよという。次には埋字、俳句の中7をあれこれ替えて吟味するというもの。これは虚子が子規とともに俳句写生に出かけた折、紹介された方法らしい。一見お遊びのようだが、この吟味を通して先人の有名な俳人の句は一言一言が、十分に推敲された言葉であることがわかったという。また俳句を作るには「じっと眺めいること(虚子の有名な俳句「一つ根に離れ浮く葉や春の水」ができたときの状況など)、じっと案じいることというような基本についても示されている。ほんとうにわかりやすい本だ。いままでにも俳句とは何ぞやなどの本を、少し読んでみたけれど、こんなにわかりやすく全体像の見える本はなかった。薄い本だけど、重要なことが、書かれている。繰り返し読みたくなる本だ。
さて、句会はあらかじめ投句した3句のほかに当日出された席題「柿」「台風」で合計58句が披露され、無事終了。ああ、勉強しなくっちゃ。
私の駄句
ゴーギャンの 紅葉の赤に 立ちすくむ
きみの庭 銀みずひきの 光揺れ
湯上りに 虫の音の中 まどろみぬ
絵手紙の 道具そろいし 柿一つ
つるし柿 線路の側の 旧家かな














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