2008・8・15
イギリスにご一緒したNさんが今度新しくお茶室を建てられた。それは、忙しい時間の中でずっとお稽古に通い、その道をきわめて来られた彼女の長年の夢だったそうだ。
「是非、お出かけください。」と誘っていただいたので、仲良しの3人とお邪魔することになった。ふふ、困ったなあ。大昔、ほんの少し習っただけで、すっかり忘れてしまった。
戸棚にしまっていた帛紗にはしみが少しついていた。楊枝入れには黒文字がなかった。扇子は、あった!ちょっと竹が古びているけれど、開くと利休百首が読み取れる。さて、懐紙は?あった!でも中を引っぱり出すと陽にやけて黄色くなっている。あれれ、名前はすかし模様入り、「白雪」とあるのに・・・。これは買っておかないと。
さて、どうするんだっけ?
本棚を探すと、「茶の湯実践講座 ―客の心得―」千 宗室監修・・・あった、あった、これこれ。たしか、裏千家と言っておられた。我が家で一番上等のお茶碗を出してきて、ひとしきり練習した。席入り、菓子のいただき方・・・薄茶のいただき方…正客の場合、次客の場合・・・私は一番年長者だから、多分、正客の場所だわ。でも、なんだか難しいなあ。ま、いいや、でたとこ勝負。(笑)
当日、小物一式と白いソックスを持って出かけた。住宅街を走るバスを降りると、きちんと着物を着て待っていてくださった。いつもだと「あらあ、おひさしぶり!」となるのだが、今日はちょっと雰囲気が違う。「お邪魔します・・・」
玄関に入ると、打ち水がされていて、早速つくばいで手を清め、上がらせていただいた。お食事のあと、「では、はじめましょう」と声がかかり、みんな姿勢を正して座についた。初心者ということで、教えていただきながら、お菓子をいただき、お茶をいただいた。
出されたお茶をにじって取りに行き、下がってきたら次客との間に置き、「お先に」と挨拶。自分の前に置き、亭主に挨拶、「お手前ちょうだいいたします。」お茶碗を持ってもう一度会釈、正面をはずしていただく。
「ふう・・・ひさしぶりに飲むおいしい薄茶・・・」これは心の中のつぶやき。「お茶は一保堂の○○だそうな・・・まろやかで甘くおいしいお茶・・・。」そんなふうにして3人が飲み終え、お道具拝見もすませ、今度は「濃茶もやってみましょう」と楽茶碗、茶巾台、お菓子、茶入れなどが運びこまれた。濃茶はとろり・・・としていて、大昔飲んだ時の記憶が蘇えってきた。あのときは、「わァ・・苦手!」と思ったけれど、今日は甘みも感じられて、おいしかった。
今度は、一人ずつ亭主役をやってみようということになった。困ったなあ。客の心得は確かめてきたけど、亭主になるとは、思ってもみなかった。さっきから見ていたけれど、「ふ・・・ん、さすが、きれいな所作」とただただ、感心していただけだ。友人のお二人は多少心得があって、さっさとお茶をたててくれた。私も教わりながらやってみたけれど、見るとするとは大違い!そのうち足もしびれてきた。(笑)
しどろもどろの亭主役だったけれど、貴重な体験をさせてもらった。でも、これは、下半身を鍛えておかないと難しい。日本舞踊も少し教えてもらったことがあるけれど、外にはそれほどと見えないところの体の芯がしっかりとしていないと美しくみえないのである。とにかく、極めるということはすごいことだ。感服・・・。
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